模型製作記録 鉋木の机上から
◆GM・西武新2000系製作記①◆
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●まえがき

本記事は、自身4作目となるグリーンマックスエコノミーキット「439・439-1 西武新2000系」の製作記録です。
大学時代は埼京線で通学していた鉋木。その車窓から新宿線を走る2000系をよく見かけました。
まあ、そんな想い出抜きにしても割と好きな車両なので、今回の大学卒業記念製作(?)に選びました。
各方面から比較的組みやすいと言われるこのキット。しかしそれはストレートに登場時の4連を組んだ時の話で、8連や現行仕様で組もうとすると結構手がかかります。
それを踏まえた上で、今回は8+2連の現行仕様を製作します。
板キットの基本的な作り方は京急2000の記事も合わせてご覧下さい。

目次
プロトタイプについて~パンタ付き中間車の製作(このページ)
車体塗装~完成(GM・西武新2000系製作記②

●プロトタイプについて
キットのプロトタイプは、新2000系前期型のうち前面貫通扉窓が大型の7次車です。
これに該当するのは8連が2057F、2連が2453Fの各1本しかありません。なので自動的にこの2編成をプロトタイプとします。
仕様はベンチレーター撤去済み、8連はパンタ削減済みの現行仕様です。まあ、後に8連は引退時仕様となってしまったのですが……(後述)。

●購入

こちらが最初に用意したパーツ一式です。
キットは基本セット2つに増結セット1つ。
対応する台車、パンタ、コアレス動力に加え、先頭車用のTNカプラー、社外製の前照灯、ワイパーなどを購入しました。(写真にはありませんが、手すりと飾り板も購入しました)
完成品西武2000の床下パーツ(東急8000系列用の灰色成型バージョン)も購入したのですが、結局ほとんど使いませんでした。

●洗浄・切り出し

まず洗います。前回よりさらに多い10両分。


点数が多いので、切り出したパーツは車両ごとにきちんと管理しましょう。

●下処理(全車共通)~箱組

側面のヒケを溶きパテで処理します。車端下部の方はそこまで目立たないのでやらなくてもいいかも。


このキットはご丁寧にベンチレーターの取り付け穴が全て開けてあるため、これを埋めます。
ベンチレーター撤去仕様を組む身としてはありがた迷惑でしかありません。
当初タミヤパテを盛って1晩放置して研磨する方法を採用しましたが、かなりヒケが出るので、4~5日乾燥させるかクレオスの瞬間接着パテを使用すると良いでしょう。


パンタなし中間車は以上の処理が終わればもう箱組→サフ吹きです。
パーツの噛み合わせは良好。

●先頭車の製作

このキットの泣き所の1つが、前面パーツの高さ不足。
画像のように肩のラインを合わせると、裾の丈が足りなくなってしまいます。


これを解決するため、0.3mm厚のプラ板を細く切って貼り、ヤスリで整えます。


前から見るとこんな感じ。


これで高さ不足は解消され、実車通り前面の裾がやや出っ張っているようになりました。


今回は前面の手すり類とワイパーを全て別パーツ化するので、その取り付け穴を0.3mmで開けます。
元の手すりモールドの両端をカッターで削って平滑化し、そこに穴を開けると位置取りがしやすいです。
なお、貫通扉周りの手すりはキット付属のエッチングパーツ用の穴位置ガイドがあるので、これに従えばOKです。
前照灯も別パーツ化するので、写真に映っている1.8mmドリル刃で開口します。


本形式のライトは側面がボディと同色なので、車体塗装前に取り付けて車体と一緒に塗ります。
下処理としてメタルプライマーを吹いておきます。
使用したパーツは西武電車用シールドビーム(トレジャータウン製・品番TTP161-05)です。


ボディに装着してサフを吹きました。


なお、先頭車の側面パーツはドア上に凹凸があるようで、予めヤスっておくと綺麗に組めます(画像上が研磨後)。

●実車の観察
さて、ここからパンタ車の屋根を作るのですが、かなり形態差異があるらしく、プロトタイプの屋根上がわからん!


……ということで、実際に実車を見に行きました。
やってきたのは新宿線中井駅付近、山手通りの陸橋上です。


事前の情報通り、8連プロトタイプの2057Fが来ました。


パンタ周りをばっちり撮れました。
たしかにキットのデフォルト屋根とは(パンタ削減を除いても)機器配置が全く違います。
ちなみにこの2057F、これを撮影して3週間後に廃車回送されました。
考えてもみなかったことですが、まあそういう車齢ですよね……。お疲れ様でした。
とにかく、現役時代に観察できてよかったです。



同じ日に2連の2455Fを撮影しました。
2連のクモハは屋根上の形態差異があまりないらしいので、これを参考に作ります。
と言っても、キットデフォルトから特に弄る必要はなさそうです。

●パンタ付き中間車の製作

製作に戻ります。
まずはランボードの端でパンタ付き屋根とパンタなし屋根をそれぞれカッターナイフで切断します。
ある程度刃を入れればパキンと折れます。


パンタより中央寄りの配管はリセットすることにしました。
カッターとヤスリでモールドを削り落とします。


不要な穴を埋め、新たに必要な穴を開けます(画像赤丸)。


機器配置はこんな感じ。
実車を参考にパンタの不要な部分を撤去した結果取り付け足が減ったので、パンタ穴も片方埋めました。
ヒューズボックスには0.2mm厚のプラペーパーでモールドを追加し、ディテールアップしてみました。


切断したパンタ屋根とパンタなし屋根を接合します。
裏から1mm厚のプラ板で補強して接着し、


パテを盛って切削します。


先ほど削ぎ落した配管を引き直します。
画像は製作時の寸法メモです。


0.3mmのCラインを瞬着でくっつけます。
実際にはこの配管からヒューズボックスに至る細い配管が伸びているのですが、面倒なので省略します。


ここまで終わればあとは箱組→サフ吹きです。

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